「記憶の南校舎」展、オープンしました!(9月12日〜10月27日)
三田キャンパス南別館1Fに新しく開設された展示スペース「慶應義塾大学アート・スペース」での第一回目の展覧会、「記憶の南校舎」展が先日オープンしました。
「記憶の南校舎」は、2009年に解体された旧南校舎を、2009年に撮影した写真や、竣工時に制作された資料(福澤研究センター所蔵)などで振り返る展覧会です。
[南校舎展紹介記事:福澤研究センター研究活動ブログより]
旧南校舎には、1967年と1991年に大幅な増築がされており、特に1967年に1Fピロティ部が教室に改装される前と後では、建築としての印象がまったくことなります。
改修前・改修後を比較する解説パネルもご用意していますので、竣工時の南校舎、増築後の南校舎、さらには、本年4月に竣工した新南校舎を見比べることもできるかと思います。
「慶應義塾大学アート・スペース」は、慶應義塾大学三田キャンパスの正門から、道を渡って向かいの慶應義塾大学南別館の1Fにあります[慶應義塾大学アート・スペース 地図]。
上層階で工事が行われているため、一見すると展覧会が行われているか解りづらいですが、平日10:00-17:00はご自由にお入りいただけます。
エントランスの展示の奥に、小さな展示室があり、資料などはそちらに展示してありますので、逃さずご覧ください(今後、このブログで展示作品をすこしずつご紹介する予定です)。
夏期一斉休暇に伴う閉室(8月11日〜17日) Announcement of summer closure
8月11日(木)から17日(水)まで、三田キャンパス夏期一斉休暇にともない、アート・センターはアーカイヴを含め閉室いたします。
一斉休暇中に頂いたお問い合わせ等へは18日以降にご対応いたします。ご不便をお掛け致しますが、あらかじめご了承ください。
Please note that RCAAA, including the archive is closed for the summer vacation from August 11th and will reopen on Thursday August 18th.
ウェブサイトの閲覧について(サーバー移転:完了)
7月28日(木)より、アート・センターのウェブサイトのサーバー移転を行います。
それにともない、2-3日の間、ウェブサイトの閲覧について不具合が出る可能性があります。
また、アーカイヴの資料データベースについては、7月31日まで、従来のアドレス(http://119.245.215.22/fd/)にて閲覧可能です。
8月1日以降、新しいアドレス(http://www.art-c.keio.ac.jp/fa/)での公開となります。
ご不便をお掛けして申し訳ありませんが、ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。
== [追記:2011.7.31]
アート・センターのウェブサイトの移転が無事完了しました。ご協力、ありがとうございました。
資料データベースのアドレスについて、以前お伝えしていたアドレスから変更がありました。
http://findingaids.art-c.keio.ac.jp/ での運用はもう少し先になり、当面 http://www.art-c.keio.ac.jp/fa/ で運用いたします。
ご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
7月23日の高井富子さんを送る会(文:森下隆)
23日(土)は高井富子さんを送る会が行われた。
私が代表を務めている国際舞踏連絡協議会(LIB)が運営主体となって実施した。
会場は、高井さんのご自宅で一階が稽古場になっていて、そこをご遺族のご厚意で使わせていただいた。
個人宅ということでお別れの会を行うには狭いかなとも思われた。しかし、参会者が高井さんが舞踏の稽古に励まれた場を見ることや、高井さんが舞踏について考えた場で高井さんを偲ぶのもいいかと考えたからである。
稽古場は、スペースを確保するために、片づけさせていただいたが、高井さんが日々向かわれていた机とその周りはそのままにしておいた。
真島さんにお願いして、祭壇をつくってもらった。奥に中西夏之さんが制作された移動式背景幕を垂らし、下手に舞台衣裳を掛けて、舞台を意識したセットで飾った。
手前には式台を設置し供花を並べ、ご遺族が群馬から持参された遺影を置かせていただいた。
遺影は、ご親戚の結婚式の際に撮影された記念写真から選ばれていたので、着物姿で50代後半のまだ若い高井さんであった。
また、稽古場の白壁に映像をプロジェクションして、お元気な頃の高井さんを偲んでいただいた。舞台で踊る高井さん、楽しく歌をうたう高井さん、海外公演先のホテルでくつろぎ観光地を歩く高井さん。
遠路にもかかわらず、たくさんの人にお運びいただいた。参会者一人ひとりに献花していただき、白い布に徐々にお花が積まれていった。
午前中は涼しかった高井さんの家も、参会者が増えてくると、人いきれで蒸してきた。
会は午後3時から8時までと長時間をとっていた。来訪の波があり、参会者で稽古場が埋まってきたところで献杯を行った。それで、3度、4度、その都度、参会者全員が声を合わせて献杯した。
献杯のあいさつは、それぞれの時代に高井さんをよく知る方にお願いした。
大野慶人さん、上杉満代さん、今井重幸さん、中村文昭さんが心のこもった言葉を置いてくださった。
そして、群馬から来られた姪の大澤伸枝さんも「舞踏関係の皆さんのおかげで、今日が本当におばが天国に送られる日になりました」と感謝のあいさつをされた。
時にしめやかな、時に和やかな、時に賑やかな時間があり、心優しく、それでいて厳しさを失わなかった高井さん、穏やかで、それでいて激しい気持を隠さなかった高井さんを送るにふさわしい会だった。
急逝されただけに、残された私たちも心の整理がつかなかったが、この日でようやく高井さんが幽明境を異にされたことを納得させることができた。
参会者の方々には、DVDとリーフレットをお配りした。
DVDは、会場で映写した映像が収められている。リーフレットは、高井さんのダンス歴と高井さんの舞踏がうかがえるように、さまざまな方の文章を再録し、合わせて笠井久子さんの心のこもる文章を掲載させていただいた。貴重な写真も見ることができる。(残部がありますので、ご希望の方は申し出てください)
高井さんが保持されていた貴重な舞踏資料を、散逸しないように保存し、整理し、公開する仕事が残されている。資料はひとまず、大野一雄舞踏研究所と慶應義塾大学アート・センター(土方巽アーカイヴ)で管理し、具体的な作業は今後の課題とすることにしている。
会の運営は実質的に、大野一雄舞踏研究所と有限会社かんた、旧アスベスト館のスタッフの皆さんにお世話になりました。長い1日、ごくろうさまでした。
[文・森下隆]
土方巽 舞踏 大解剖 VI を Ustreamで中継します!- The Great Anatomy of Hijikata Tatsumi's Butoh VI will be webcasted!
《手古奈》(1909年、北村四海)の取材
先日、旧図書館にある北村四海の彫刻《手古奈》の取材に、信濃毎日新聞の方と、北村四海研究者がいらっしゃいました。
現在、信濃毎日新聞で北村四海の作品についての連載をされているとのことです。
《手古奈》は、1909年の第3回文展に出品された大作で、近代日本最大規模の大理石彫刻です。
旧図書館の建設にあわせ、北村四海が慶應義塾に寄贈し、旧図書館一階の階段ホールに設置されましたが、1945年の空襲で、両腕を失うなど大きく破損しました。
空襲後、長い間倉庫に保管されていましたが、2009年の「未来をひらく 福澤諭吉展」で実に60年ぶりに公開され、現在は元々あった場所に展示されています。
写真は、《手古奈》の戦前設置状況を、福澤研究センターで調査しているところです。
福澤研究センターには、戦前の手古奈の写真(旧図書館開館記念冊子に収録)のほかに、戦災でやけおちたホールの中にたつ手古奈の写真など、関連資料が多く収蔵されています。
8月6日(土)、大阪にて:土方巽 舞踏 大解剖 VI HIJIKATA '68-'70-'72 開催
「Project Rebirth」の研究上映イベント「土方巽 舞踏 大解剖 VI HIJIKATA '68-'70-'72」が8月に開催されます。
この研究上映会では、1970年大阪万博みどり館アストロラマ、映画「誕生」、そして「誕生」の中での土方巽の踊りを取り上げます。
万博の地、大阪での開催です。奮ってご参加下さい!
土方巽 舞踏 大解剖 VI HIJIKATA '68-'70-'72
1970年をはさんで、1968年と1972年は土方巽の舞踏にとって、きわめて重要な年である。1968年の舞踏公演〈土方巽と日本人〉はそれまでの舞踏を総括するBUTOHであり、1972年の舞踏公演〈四季のための二十七晩〉はその後の創造行為を方向づけるBUTOHであった。
舞踏大解剖VIでは、土方巽の舞踏史のメルクマールとなった2公演の記録映像「肉体の叛乱」と「疱瘡譚」を上演する。
そして、そのはざまの1970年、大阪万博でのみどり館、アストロラマで上映された「誕生」から土方巽の出演シーンを特別上映する。
1970年以来一度も公開されず、幻の映像となっていた映画「誕生」。調査プロジェクト「Project Rebirth」の活動によって再発見された70mm上映フィルムから、ついに北海道ロケにおける土方巽の貴重な映像が甦る。
詳細は、Project Rebirth プロジェクトページをご覧下さい。
[追記:2011.7.6]
フライヤーができました!プロジェクトページからPDF版がダウンロードできます。