Project Rebirth(万博映画「誕生」の調査プロジェクト)進行中!

土方巽アーカイヴでは、2010年8月から、1970年大阪万国博覧会で上映された映画「誕生」の調査プロジェクト「Project Rebirth」を進めています。
「誕生」は、万博のパヴィリオン、みどり館アストロラマのために制作された全天全周映画で、黛敏郎の監修のもと、学習研究社が制作、脚本を谷川俊太郎、音楽を黛敏郎が担当しています。この映画で、唯一出演者名をもってキャスティングされているのが土方巽です。
Project Rebirth は、万博終了後、二度と上映されることなく、幻の映画となった「誕生」を調査し、再現上映することを目指しています。
プロジェクトの進捗や成果公開イベントのお知らせは、Project Rebirth プロジェクトページや、このブログでお伝えしていきます。

Project Rebirth: Looking for Hijikata Tatsumi, dancing in ASTRORAMA

Introducing "Project Rebirth" -- our new project to rediscover Hijikata Tatsumi in 1970 Osaka EXPO is now on track!
Please access the project website, now available in English.

舞踏家 高井富子さん 逝去

高井富子さんが亡くなられた。
ご自宅で突然死されたようで、私もその死を知らず、昨6月10日に知った。
死亡日は5月28日とのこと。80歳でした。
「女・大野一雄」になるとおっしゃっていたのに、この年で生を終えられたことは、本人にとっても無念なことにちがいない。
手元に2冊の公演パンフレットがある。国際舞踏連絡協議会(LIB)が主催した海外公演のパンフレットだが、いずれにも高井さんに参加していただいた。
一つはインドネシアでの「The Life of Butoh」(2008年)、もうひとつがハンガリーでの「老いの力―舞踏のなかの伝統と現代」(2009年)である。
インドネシアに行くにあたって、パスポート申請(更新)に同行した。
また、海外に出かけられると喜んでいた。足腰が弱 られていたので、海外にお連れすることは気になったが、ご本人は意気軒高だった。たしかに、舞台に立つと別人だった。
「外国で踊ると、観客に喜んでもらえるからやりがいがある」と言い、また誘うようにと、いつも言われていた。

森下隆(土方巽アーカイヴ)



写真:ハンガリー海外公演 「老いの力―舞踏のなかの伝統と現代」パンフレットより

The Passing of Ms. Tomiko Takai, a Butoh Dancer

Takashi Morishita


Ms. Tomiko Takai has passed away.
Because her death was sudden and happened at her home, I just learned about it yesterday, June 10th.
The date of passing was on May 28th. She was 80 years old.
Ms. Takai had said she would become the "female Kazuo Ohno." She must be remorseful that her life ended when it did.
I have two pamphlets for Butoh performances in my hands. Both of them are for performances overseas hosted by LIB (Liaison of Internatinal BUTOH), which Ms. Takai participated in.
One of them, "The Life of Butoh," in 2008, was performed in Indonesia, and the other, "The Intensity of Age: Tradition and Modernity in BUTOH,2 in 2009, was performed in Hungary.
I accompanied her to renew her passport before the tour.
She was delighted to be traveling overseas again. I was concerned for her wellness during the overseas trip because her legs were weakening. But her morale was heightened. Indeed, on stage, she looked like a different person.
Saying "It is rewarding when I dance in foreign countries because audiences are very passionate," she always told me to invite her when I organize international tours.

[Translated by Atsuko Nakajima-Healy]

(ご紹介)公開講座 被災ミュージアムの支援と危機管理対策

先日、被災した文化財・施設への支援についてブログに掲載しましたが、慶應義塾大学でも、文学部のアート・マネジメント講座が協力して、関連する公開講座が開催されます。第一回目は、本日4月16日開催です。

=


公開講座 被災ミュージアムの支援と危機管理対策


このたびの東日本大震災により、関連地域各ミュージアムとその文化財、美術品をはじめ、図書館、ホール、劇場など建造物が大きな被害をうけました。被災状況を最新のデータと現場の実態をまじえて報告し、ミュージアムへの支援問題と文化施設全体の危機管理対策を、国内外の事例をもとに検討します。

第1回 被災ミュージアム文化施設の現況と支援対策

4月16日(土) 15:00〜17:00

第2回 海外の危機管理に学ぶ 被災ミュージアム復興の課題

4月30日(土) 15:00〜17:00

コーディネーター 鈴木隆敏(慶應義塾大学大学院アート・マネジメント分野講師)

会場(両日)

慶應義塾大学三田キャンパス第一校舎1階107教室 入場無料・予約不要

主催

「被災ミュージアムの支援と危機管理対策」実行委員会

協力

慶應義塾大学文学部 アート・マネジメント講座

お問い合わせ

「被災ミュージアムの支援と危機管理対策」実行委員会 03-5427-1150

被災した文化財・施設への支援について[4.16更新]

すでにご存じの方も多いかと思いますが、3月31日に、文化庁から「東北地方太平洋沖地震被災文化財等救援事業(文化財レスキュー事業)」の実施に関する発表がありました。
今回の震災では、地震津波により、過去に例がないほど多くの文化財に被害が出ています。
文化財レスキュー事業」では、従来の予算に加えて、寄附金・義援金を募りながら、被災地域の文化財の避難、応急措置、一時保管をできるかぎり早く行うとしています。
アート・センターでも、どういった支援・対策が可能か検討しています。みなさんのご助力、どうぞよろしくお願いいたします。

文化財レスキュー事業について(報道発表)

http://www.bunka.go.jp/bunkazai/tohokujishin_kanren/pdf/bunkazai_rescue_jigyo.pdf



また、被災した博物館・美術館、図書館、文書館、公民館の被災・救援情報サイト http://savemlak.jp/wiki/SaveMLAK が立ち上がっています。
4月23日には、被災支援に関する緊急会合が学習院大学で開催されます。

緊急討議「東日本大震災 被災支援とMLAK−いまわたしたちにできることは」

日時

2011年4月23日(土) 13:00 - 14:30

場所

学習院大学(目白) 南3号館203教室 http://www.gakushuin.ac.jp/mejiro.html

スケジュール・登壇者

各発言8分程度、その後、フロアを交えて自由討議

協力(確定順)

日本アーカイブズ学会、アート・ドキュメンテーション学会、情報知識学会、日本ミュージアム・マネージメント学会大学図書館問題研究会、情報処理学会人文科学とコンピュータ研究会(CH研究会)

呼びかけ人

saveMLAK有志 http://savemlak.jp/

社中交歡萬來舍での展示


2011年3月末に正門の前の校舎、南校舎が竣工し、3階に「社中交歡萬來舍」がオープンしました。

社中交歡萬來舍:http://www2.jukuin.keio.ac.jp/banraisha.html


社中交歡萬來舍は、コーヒーやサンドイッチなどの軽食も提供する、塾員・教職員専用の交流スペースですが、エントランスとラウンジに展示ケースが設置されています。
アート・センターでは、4月1日のオープンにあわせて、展示の設営を行いました。


エントランス部分には、大熊氏広・鈴木長吉《福澤諭吉還暦祝 灯台》(1897年)が展示されています。この灯台は、福澤諭吉の還暦祝いとして塾員が贈った記念品で、イギリスのエディストン灯台を非常に緻密に再現した作品です。《灯台》について詳しくは、作品の前にある解説パネル(《灯台》を所管する福澤研究センターの所員の方に書いて頂きました)をご覧下さい。


また、ラウンジ部分には現在、慶應義塾図書館泉鏡花コレクションから、「泉鏡花の兎コレクション」が展示されています。
泉鏡花は、母から「向かい干支」(鏡花は酉年)のものを集めると幸福になると教えられ、コレクションを始めたということです。
今回展示されているのはごく一部ですが、水晶の兎の置物、水差し、ペーパナイフなどをご覧いただけます。


ラウンジ部分については、今後定期的に展示替えを行い、塾が所蔵している様々な作品をご紹介する予定です。
三田にお立ち寄りの際は、ぜひのぞいてみてください。

春の《平和来》:塾内の朝倉文夫作品

三田キャンパスには、東側、幻の門のあたりにまとまって桜の木があります。早咲きの桜が多いので、はやくも葉桜になっている木がありますが、何本かはいま、満開を迎えています。


桜の季節は、朝倉文夫の彫刻《平和来》が、桜を背景に非常に魅力的に見える時期でもあります。
《平和来》は、彫刻家朝倉文夫の作品で、昭和32年12月に、昭和7年卒業生より卒業25年記念として寄贈されました。
戦没した塾員に捧げる像として、塾監局前庭園に据えられ、台座には「丘の上の平和なる日々に 征きて還らぬ人々を思ふ」という小泉信三の碑文が刻まれています。


朝倉文夫は肖像彫刻の名手として知られていますが、慶應義塾では、この《平和来》以外にも2点、朝倉の手になる作品を見ることができます。
三田キャンパス旧図書館の東側、「文学の丘」にある《小山内薫胸像》、矢上キャンパス創想館入口ホールにある《藤原銀次郎胸像》です。
キャンパスへお越しの際は、ぜひチェックしてみてください。

アート・センター設置講座「アート・アーカイヴ特殊講義, 特殊講義演習」 今年度も開講します

2007年度より、大学院生向けに開講されている「アート・アーカイヴ特殊講義」「アート・アーカイヴ特殊講義演習」が、本年度も開講されます。
受講を希望される学生の方は、4月13日のガイダンスにご出席ください。
※ 研究所設置講座のため、時間割表では欄外に記載されています。ご注意ください。

また、設置講座以外にも、アート・センターが協力する授業が、主に三田キャンパスで開講されています。

アート・アーカイヴ特殊講義, 特殊講義演習  金曜2限 三田キャンパス 2B25教室

アート・アーカイヴ特殊講義, 特殊講義演習のガイダンスは、4月13日(水)12:30-13:00 西校舎524教室で行います。
設置講座は、慶應義塾大学学部、研究科の正規在籍者のみを対象としています。学外の方の履修・聴講はできません。

アート・センターが協力している講座

  • 芸術学D(秋学期, 木曜2限, 三田キャンパス 516教室, 森下隆 担当)
  • 芸術資源デザイン演習III(秋学期, 木曜6限, 三田キャンパス 313教室, 森下隆 共同担当)
  • 芸術研究基礎I, II(水曜1限, 三田キャンパス 101,313教室, 渡部葉子 共同担当)
  • 博物館学実習IIIA, IVA(金曜4限, 三田キャンパス 313教室, 橋本まゆ 共同担当)
  • 博物館学実習IIIB, IVB(金曜5限, 三田キャンパス 313教室, 橋本まゆ 共同担当)